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体臭が気になって来院する患者さんのなかには、診察室に入るなり強烈なにおいを発するワキガ体質の人から、鼻をいくら腋の下に近づけても、いっこうににおわない人まで、じつにバラエティに富んでいます。
本当のワキガ体質者は、
(1)遣伝傾向がある
(2)耳アカが軟らかい
(3)わき毛が比較的濃い。外耳道の毛も比較的濃い
(4)下着が黄染する
といった明らかな傾向があります。
われわれ医者の立場からみれば、本来のワキガ体質者は、非常に治療しやすく、精神的にも楽なものです。なぜなら、外科的療法によって、完全に治癒させることができるからです。
においが強ければそれだけいっそう、術前と術後の変化が大きく、患者さんにも、においの消失が自覚的に認識でき、喜びも大きく、医師、患者の相方とも、手術の結果に満足できるものです。
ところが、自分だけで思いこんでいる、いわゆる「自己臭恐怖」や「自己臭症」の患者さんに外科手術を施した場合は、後日きまって「まだにおうような気がします」と再来院されるケースが多いのです。こういう人には、何度手術を施したところで無駄です。今までワキガの手術を受けた人の中には、この自己臭恐怖の患者さんが多く含まれていたのではないかと思います。
一般にこのような患者さんは、思春期から長年悩み続けたあげく「手術で治そう」と一大決心をした上で来院されるため、医師が
「ぜんぜんにおいませんよ」
「気のせいですよ」
といった説得では、逆に「自分をなぐさめている」と思いこむことがあります。時には、意を決してきたのに何の解決も得られなかったと、さらにいっそう、体臭に神経を集中させ、病状の悪化を見ることもあります。
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